本記事では、ハンディファンの捨て方を解説します。
ハンディファンが外出時のお供になるほど、年々厳しくなる猛暑。使用頻度が多いからこそ、処分や買い換えの機会も増えてくるでしょう。
- ハンディファンは何ゴミ?
- バッテリーも一緒に処分できる?
- 自治体ごとに捨て方が違う?
などの疑問に向けて、ニーズごとの正しい捨て方をまとめました。各自治体の例も踏まえつつ、それぞれの捨て方のメリット・デメリットもお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
何ゴミ?充電式ハンディファンの捨て方に注意!
充電式ハンディファンは、小型ながらリチウムイオン電池を内蔵しています。誤った方法で捨てると、収集車内での圧縮や破損で電池が発火し、重大な事故につながる恐れがあります。
そのため、処分する際は、必ず各自治体の規定を確認するし可能なリチウムイオン電のが重要。
東京都23区とその他の主要都市の処分例、リチウムイオン電池の火災事故例を、それぞれ解説していきます。
✅東京都23区
まず、東京都23区に焦点を当ててご紹介します。東京都23区エリアでは、共通して以下のルールが定められています。
- 取り外し可能なリチウムイオン電池:不燃ゴミの日に出せる(「陶器・ガラス・金属ゴミ」と分類されるケースもあり)
- 電池内蔵製品(ハンディファンなど一辺30cm未満):同じく不燃ゴミの日に出せる
つまり、東京23区では、不燃ゴミとして自治体が回収してくれます。ただし、「小型家電リサイクルボックスの利用推奨」と明記している区もあるため、必ずお住まいの公式サイトをチェックしてください。
❌その他の主要都市(横浜市・大阪市など)
東京以外の主要都市では、不燃ゴミとして処分できない自治体もあります。一般ゴミとして収集できない自治体では、指定の回収拠点での回収になります。以下の特徴を参考にしてください。
- 横浜市、大阪市などは、一般ゴミでは不可
- 原則「小型家電リサイクルボックス」や「回収拠点」での回収が必要
- 可燃・不燃の通常収集日に出すと収集拒否される可能性が高い
異なる処分方法では収集拒否されるほど、リチウムイオン電池が使われる充電式は、充電式は、発火や火災のリスクが伴います。
次の項で、リチウムイオン電池の火災事故例をご紹介します。
リチウムイオン電池の火災事故の例
リチウムイオン電池による火災事故は、想像以上に多発しています。主な例を、以下の表にまとめました。
地域 | 期間/日付 | 発生状況 | 概要・被害 |
---|---|---|---|
町田市(東京都) | 2020–2025 | 収集車火災 19件 | 可燃ゴミ圧縮時に発火 |
豊島区(東京都) | 2025/8/16 | 収集車火災 | 加熱式たばこの電池が圧迫で発火 |
長岡京市(京都府) | 2025/5/20 | 収集車火災 | 資源物収集中に電池発火 |
福井県(4市町) | 2020–2024 | 収集車火災10件 施設火災118件 |
リチウム電池混入 |
鯖江市(福井県) | 2020–2025 | 施設火災7件 | ピット内出火 被害1,500万円 |
町田市施設(東京都) | 2020–2024 | 施設火災3件 | 稼働停止3回 |
志木市(埼玉県) | 2020–2025 | 施設火災4件 | 最大67億円の復旧費用 |
常総市(茨城県) | 2024/12 | 施設火災 | 不燃ゴミ処理設備焼損 復旧110億円 |
リチウム電池が混入するだけで、収集車や施設全体の火災につながります。復旧に110億円かかったケースもあります。
小さな電池が大きな事故を引き起こす、ゆるぎない事実を念頭に置いて、必ず決められた処分方法を守りましょう。
リチウムイオン電池内蔵のハンディファンの捨て方
ここから、リチウムイオン電池内蔵のハンディファンの捨て方として、自治体の一般ゴミ以外の方法をご紹介します。
- 小型リサイクル回収ボックスに入れる
- 購入元の店舗で買い替える
- 家電量販店で回収処分してもらう
- フリマアプリやオークションサイトで売却する
- 寄付・譲渡する
- 不用品回収業者に依頼する
それぞれ、順に見ていきましょう。
小型リサイクル回収ボックスに入れる
環境省が推進する「小型家電リサイクル法」に基づき、自治体の指定場所に設置された回収ボックスに入れる方法があります。
小型家電リサイクル法とは、不要な小型家電を適正に回収・リサイクルするための法律。つまり、回収ボックスに入れるだけで、適正にリサイクルしてもらえるわけです。
必ず電源を切り、可能であればバッテリー端子をテープで絶縁してから、小型リサイクル回収ボックスに入れてください。回収ボックスは、各自治体の役所や公共施設、一部のスーパーマーケットなどに設置されています。
- メリット:無料で出せて、資源として再利用される
- デメリット:設置場所が限られ、近くにない場合は持ち込みが手間になる
購入元の店舗で買い替える
購入した店舗で新しい製品を買う際、古いハンディファンを引き取ってもらえる場合があります。
対応は店舗ごとに異なるため、事前に確認が必要ですが、公式な回収ルートを利用するため、安全性と法令遵守の両面で安心できるでしょう。
買い替えを検討している方におすすめの方法です。
- メリット:新しい商品を購入するついでに処分できる
- デメリット:同一店舗で購入する必要があり、持ち込み対応が中心になる
家電量販店で回収処分してもらう
ヤマダ電機やエディオンなどの大手家電量販店では、小型充電式電池や内蔵製品の回収サービスを実施しています。
家電量販店では、環境省の取り決め通り適正処理を実施するため、安心して任せられます。家電を選びに行くついでに、回収してもらうと、効率よく処分できるでしょう。
お近くの店舗の回収状況を確認してから、持ち込むようにしてください。
- メリット:スタッフに任せられるため安全で確実
- デメリット:店舗によっては有料または対象外の場合がある
フリマアプリやオークションサイトで売却する
まだ正常に動作し、安全に使用できる製品なら、フリマアプリなどで売却するのも一つの手。特に、夏前には需要が高まるでしょう。
ただし、膨張や劣化のあるバッテリーは事故につながるため、出品は避けてください。状態を正しく明記し、動作確認後に取引を開始しましょう。
必ずしも売却できるとは限らない点、手数料や送料の出費や手間がかかる点に注意して、費用対効果を考慮するのがポイントです。
- メリット:動作する製品なら販売益を得られる可能性がある
- デメリット:バッテリーが膨張・劣化しているものは出品できず、事故リスクがある
寄付・譲渡する
状態が良いハンディファンは、寄付団体や知人へゆずるのも良いでしょう。電化製品は支援品として需要の高いアイテムです。
ただし、寄付先によっては受け入れ基準があるため、公式サイトで条件を確認するのは必須。ゆずり先に迷惑をかけないのが、最低限のマナーと言えます。
- メリット:まだ使える製品を再利用してもらえる
- デメリット:発送や受け渡しの手間がかかる
不用品回収業者に依頼する
ハンディファンだけでなく、大量の不用品と一緒に処分したい時には、不用品回収がおすすめ。
季節の変わり目の断捨離で、扇風機などの粗大ゴミ家電や家具の処分も検討するなら、それぞれの処分方法を調べて分別する手間が省ける便利な方法です。
- メリット:壊れていても回収してもらえる・即日対応も可能
- デメリット:1点だけの依頼では費用が割高になる場合がある
パックプランを提供している業者なら、一つひとつを処分するよりコストパフォーマンスも上がるでしょう。
乾電池式のハンディファンの捨て方
乾電池式のハンディファンの捨て方も解説します。
乾電池式は、充電式のハンディファンより手軽に処分できる自治体がほとんど。
一般的な流れは、以下の通りです。
- 乾電池を取り外す
- 乾電池を処分する
- 本体を処分する
本体からすべての乾電池を抜き取り、分別しましょう。
乾電池は、自治体によって「資源ゴミ」「不燃ゴミ」など扱いが異なりますが、一般ゴミで出せるケースが多く見受けられます。必ずお住まいの自治体の分別ルールを確認し、回収日に出してください。
プラスチック製が多い本体部分も、「可燃ゴミ」「不燃ゴミ」「プラスチックゴミ」などの一般ゴミとして出せますが、乾電池と同じく分別区分は必ず確認しましょう。
小型家電として、充電式ハンディファンと同様に自治体の「小型リサイクル回収ボックス」に投入もできます。次の項で、自治体別の処分方法を解説します。
自治体別のハンディファン捨て方例
自治体別のハンディファンの捨て方を、以下の4都市を例に挙げました。
自治体 | 処分方法の特徴 | 参考URL |
---|---|---|
横浜市 | ・投入口(30cm×15cm)に入る、長さ30cm未満の、電気・電池で動作する製品は「小型家電回収ボックス」へ ・外せる充電式電池は自治体指定の「黄色い回収缶」に分別 |
横浜市公式 |
名古屋市 | 縦15cm以下かつ横40cm以下かつ奥行25cm以下の小型家電は、「小型家電回収ボックス」へ | 名古屋市公式 |
札幌市 | 30センチ四方の投入口を通る大きさは電池を取り外して「小型家電回収ボックス」へ | 札幌市公式 |
堺市 | 縦8cm、横30cmに入る大きさの小型家電は回収ボックスへ入れられる ※ハンディファンは対象外 不燃小物類として要申し込み、もしくは家庭ゴミ受付センターへ相談 |
堺市公式 |
それぞれ、解説していきます。
横浜市の回収例
横浜市では、ハンディファンのような小型家電は、区役所や商業施設などに設置された「小型家電回収ボックス」に投入して処分できます。投入口は30cm×15cmで、ハンディファンは投入できる大きさでしょう。
ただし、リチウムイオン電池が内蔵されている場合は、必ず取り外してください。リチウムイオン電池は、家電量販店などに設置されている「小型充電式電池回収ボックス」に入れます。
名古屋市の回収例
名古屋市では、令和4年からハンディ扇風機(ハンディファン)が小型家電リサイクルの対象に追加され、ボックス回収の利用が可能になりました。
回収拠点は市内各所に設置されており、投入口に入る大きさであれば処分できます。
札幌市の回収例
札幌市の小型家電リサイクルでも、ハンディファンは回収対象品目として明記されています。
30cm四方の投入口を通るサイズであれば、市内の回収ボックスへ入れて処分可能。電池やバッテリーを取り外すことが推奨されていますが、取り外せない場合は、そのまま投入しても問題ありません。
堺市の回収例
堺市では、堺市が定めている対象品目しか、市拠点の小型家電回収ボックスに入れられません。
2025年時点では、ハンディファンは対象に含まれていないので、不燃小物類として申し込む必要があります。
無料の処分方法ですが、充電式電池は充電式電池回収ボックスへ投入が推奨されているなど、独自の取り決めがあるので、迷ったら家庭ゴミ受付センターへ相談しましょう。
<家庭ゴミ受付センター>
- 固定電話→0120-00-8400
- 携帯電話→06-6485-5048
上記のように、自治体によって処分方法は多岐にわたります。
迷う場合は、自治体に問い合わせるか、他の断捨離とあわせて不用品回収にお任せするか、状況に合わせて検討するのをおすすめします。
ハンディファンは正しい捨て方を守ろう
ハンディファンの正しい捨て方をご紹介しました。
乾電池やリチウム電池で作動するハンディファンは、分別や捨て方がとても重要。必ず自治体のルールに則り、正しく処分してください。
一方、ハンディファン処分を検討する季節の変わり目に合わせて、断捨離を予定している方は、アイテムごとの分別が不要な不用品回収が便利です。
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