飲食店やスーパーなどで使う業務用冷蔵庫は、種類も多彩です。撤退や移転、買い替えなどで業務用冷蔵庫を処分するには、家庭用冷蔵庫と同じなのか悩む方も多いでしょう。
今回は、そんな時にすぐに役立つ業務用冷蔵庫の処分方法を分かりやすくご紹介しています。
「業務用冷蔵庫も家電リサイクル法で処分する?」「お店の冷蔵庫の処分費用を抑えたい!」などの疑問を解決し効果的な処分を目指していきましょう。
あわせて、コストを抑えた処分方法や買取も解説します。
業務用冷蔵庫の処分に悩んでいる事業者の方々、ぜひご活用ください。
業務用冷蔵庫とは?
業務用冷蔵庫は、文字通りスーパーや飲食店などで使用される冷蔵庫のことです。
お店の規模や目的などに応じたさまざまな機種が揃っています。
業務用冷蔵庫と家庭用冷蔵庫の違い
業務用冷蔵庫と家庭用冷蔵庫の違いを一覧にしてみました。
冷蔵庫区分 | 容量 | 形状 | ドアポケット | 電源 |
---|---|---|---|---|
業務用冷蔵庫 | 100~1600L | 横型・縦型 | なし | 200V(製品による) |
家庭用冷蔵庫 | 150~600L | 縦型 | あり | 100V |
まず、家庭用冷蔵庫と業務用冷蔵庫の大きな違いは、容量。もちろん、業務用でも小型もありますが、大型のものが広く出回っています。
特に、横型は「コールドテーブル」とも呼ばれています。高さが80㎝ほどなので、そのまま調理台としても使えるのが魅力です。少ないスペースを有効利用したい厨房におすすめ。
- 家庭用と比べると、形状や容量も選択肢が多いのが特徴
また家庭用ではとても便利なドアポケットですが、業務用冷蔵庫にはありません。ドアの開閉回数が多く食品の保存に影響があるために、ドアポケットなしの設計になっています。
ただ、使用環境や用途によっては、ドアポケットがある方が便利な場合もあるでしょう。このような場合には、カスタマイズ注文も可能です。
業務用冷蔵庫を設置する際には、製品次第では200Vの電源が必要です。
また、耐久性においても差があります。処分を検討している業務用冷蔵庫が処分にふさわしいタイミングなのか先に知りたい方は、業務用冷蔵庫の寿命の項目をご覧ください。
業務用冷蔵庫の種類
業務用冷蔵庫は、多種多様な製品があります。大きく分けると、3つのタイプです。
- 縦型冷蔵庫・縦型冷凍庫 冷凍・冷蔵いずれかの機能を持つもの
- 縦型冷蔵冷凍庫 冷凍・冷凍の両方の機能を持つもの
- 横型冷蔵庫 天板を作業台として使える機能をもつもの
保存する食材の量や種類、使用目的に応じた選び方をすることで、効果的に業務用冷蔵庫を使えます。冷蔵ショーケースタイプやネタケース、製氷機、業務用ワインセラーも業務用冷蔵庫の一種です。
テイクアウト対応の飲食店店頭で何気なく目にするものから、厨房やスーパーの冷蔵コーナーにある大型冷蔵・冷凍庫まで品ぞろえが豊富です。
業務用冷蔵庫は家電リサイクル法で処分できない
冷蔵庫の処分で真っ先に思いつくのは、「家電リサイクル法」でしょう。冷蔵庫、テレビ、エアコン、洗濯機の対象4品目に含まれるので、家庭用冷蔵庫の処分と同じように業務用も家電リサイクル券の購入や手続きが必要だと思う方も。
しかし、業務用冷蔵庫は家電リサイクル法の対象外です。家電リサイクル法に基づく処分はできません。
業務用冷蔵庫は産業廃棄物として処分する
家電リサイクル法の対象外である業務用冷蔵庫は、「産業廃棄物」として処分します。
産業廃棄物は、事業活動によって排出されるゴミです。廃棄物処理法で20種類の廃棄物が定められています。そのため、都道府県ごとに登録された「産業廃棄物収集運搬業」の許可を保有している業者に処分を依頼する必要があります。
産業廃棄物で処分するにはマニフェストが必要
産業廃棄物として業務用冷蔵庫を排出する場合は、事業者が廃棄物を処理する際に発行する産業廃棄物マニフェスト(管理伝票)が必要です。
処理業者に渡る段階ごとに、産業廃棄物とマニフェストが引き継がれます。正確に記入漏れがないように記載する必要があります。
- 日付
- 排出事業者
- 運搬・処理業者の情報
- 産業廃棄物の情報など
故意ではなくても、虚偽の記載があれば法律で罰せられることもあるので、注意しましょう。
ただ、事業者による業務用冷蔵庫の処分は頻繁にあるものではありません。マニフェストに不慣れである事業者も多いのも当然です。
まずは、産業廃棄物対応の回収業者に相談して無料見積もりを取ってみるのがおすすめです。
オフィス排出の家庭用冷蔵庫は家電リサイクル法で処分する
一般的な事業活動や移転などで生じた廃棄物が、全て産業廃棄物として出せば問題ないわけではないので、注意しましょう。
オフィス、お店などで家庭用冷蔵庫を福利厚生で使っている場合もあります。この場合は、産業廃棄物の対象外です。
そのため、家電リサイクル法によって処分をします。家庭用冷蔵庫・家庭用ワインセラーの処分方法は以下をご覧ください。
≫ワインセラーの処分方法7選!費用相場も紹介【捨て方は簡単】
業務用冷蔵庫の処分方法5選!
業務用冷蔵庫は、法律に基づいた適切な廃棄をしなくてはなりません。業務用冷蔵庫の処分方法を5つご紹介します。
業務用冷蔵庫の廃棄専門業者による処分
業務用冷蔵庫の処分は、廃棄を専門に行う業者へ依頼すれば適切に進めてくれます。この後、処分の注意点でもご紹介しますが、フロン回収まで適切に行ってくれるので安心して任せられます。
厨房機器の専門業者による処分
厨房機器の専門業者に処分を任せる方法もあります。
こうした業者は、業務用冷蔵庫を始めとする金属を含む厨房機器などを再販またはリユースすることで収益を得ています。そのため、業務用冷蔵庫の回収費用は無料でも利益が出るわけです。
しかし、業務用冷蔵庫の回収は無料でも出張費用の追加請求、不法投棄を行う悪質なっ業者も存在しているので、慎重な見極めが欠かせません。
不用品回収業者による処分
一般家庭が引越しや断捨離などで家電や家具などの粗大ゴミをまとめて処分したい時におすすめなのが、不用品回収業者です。
同様に、閉店や移転などで業務用冷蔵庫の他、厨房機器、テーブルやイスなどを処分したい時には、不用品回収業者が便利。
ただし、一般家庭の不用品回収だけしか対象にしていない業者もあるので、事業ゴミも回収している業者に依頼するようにしましょう。
費用は、廃棄処分するにも大型の製品であり数万円かかることもありますが、定額パックを利用するとお得に回収してもらうことも可能です。
- 閉店・廃業で業務用冷蔵庫の他に多数の不用品がある時
- とにかく急いで処分をしなければならない事情がある時
業務用冷蔵庫の処分をする際、廃棄専門業者や厨房機器専門業者を利用する方法もありますが、さまざまな産業廃棄物や不用品、粗大ゴミがある場合には、不用品回収業者なら回収対象が広いので別々の業者に依頼する必要もありません。
他のオーナーに譲渡として処分
飲食店やスーパーなど、業務用冷蔵庫の需要は高いので、使用に問題がないものであれば他のオーナーに譲渡をする方法もあります。
廃棄費用をかけずに済む上、業務用冷蔵庫の状態や価値次第では買取してくれる可能性もあるでしょう。
開業を希望しているオーナーや知り合いなどに声掛けしてみるのもおすすめです。
居抜き物件として処分
閉店において、店舗の内装や設備をそのままにして売買または賃貸を契約することを、居抜き物件と言います。業務用冷蔵庫などの設備をそのままにして、店舗を買い取るまたは借りる新しいオーナーを見つけることも可能です。
居抜き物件は、新しいオーナーにとっても設備や機器がそろっているので、開店までの時間短縮ができる魅力も。
業務用冷蔵庫が付随していることで高い査定額を出せる可能性もアップするはずです。
業務用冷蔵庫を正しく処分するための注意点
業務用冷蔵庫は、法律に基づいた正しい処分をしなくてはなりません。以下の注意点を把握しておきましょう。
- 排出事業者から⇒産業廃棄物収集運搬許可業者に回収依頼
- 産業廃棄物収集運搬許可業者から⇒フロン回収業者に処理依頼
業務用冷蔵庫の廃棄は、上記の流れで行います。
産業廃棄物収集運搬業の許可業者に依頼する
業務用冷蔵庫は、産業廃棄物であるため産業廃棄物運搬業の許可を持った業者に廃棄を依頼します。
各都道府県に登録されている許可業者は、容易に検索可能です。許可業者であれば、適切な処分を進めてもらえるので安心して依頼できます。
フロンガス使用なら第一種フロン類回収業者に依頼する
業務用冷蔵庫でフロンが使用されているものは、回収処理も必要です。
- フロンガス不使用 「産業廃棄物収集運搬業」許可のみで可能
- フロンガス使用 「産業廃棄物収集運搬業」「第一種フロン類回収業者」両方の許可が必要
フロン回収とは、オゾン層破壊の原因になるフロン回収し、破壊などの処理を行うこと。
業務用エアコンや業務用冷蔵庫などの整備でフロンを充填、また廃棄の際にフロン類を回収する業者を第一種フロン類充塡回収業と呼びます。
都道府県知事の登録を受けている許可業者として認められており、信頼が厚いと判断できます。
フロン排出抑制法は平成27年4月に施行された法律で、令和2年4月1日から改正フロン抑制法が施行されました。
業務用冷蔵庫の処分費用の相場
家庭用冷蔵庫なら、家電リサイクル法で定められているリサイクル料金と収集運搬料金を払い処分を依頼できます。しかし、業務用冷蔵庫の処分費用は、どれくらいかかるのか相場が気になるところでしょう。
- 業務用冷蔵庫 10,000~50,000円
- ノンフロンの業務用冷蔵庫 20,000円~40,000円
- フロン使用の業務用冷蔵庫 50,000円~100,000円
種類やサイズ、用途によって料金は変わりますが、ざっくりとした相場は上記の通りです。
また、業務用冷蔵庫の処分費用の一例を挙げておきましょう。
業務用冷蔵庫の種類 | 処分費用の一例 |
---|---|
縦型2枚扉
コールドテーブル2枚扉 |
18,000~22,000円 |
縦型4枚扉 | 38,000~45,000円 |
縦型6枚扉 | 40,000~50,000円 |
ショーケース | 15,000~18,000円 |
製氷機 | 10,000~15,000円 |
冷凍庫 | 10,000~15,000円 |
業務用冷蔵庫の大きさ、階段の有無などで運び出しするスタッフの人数も変わるため、大きければ大きいほど費用は高くなります。
適切な価格での処分をするためにも、見積もりは欠かせません。費用の比較だけではなく、マニフェストや回収の工程の説明が分かりやすいかどうかも注目しておきましょう。
また、極端に相場より安い見積もり額の回収業者にも注意が必要です。
適切な処理や処分をしない恐れや追加費用を請求される可能性も否定できません。
業務用冷蔵庫は中古が人気!買取を利用する
業務用冷蔵庫は、中古でも人気があります。「まだ問題なく使える」「冷蔵庫が比較的新しい」「廃棄費用をかけたくない」などの思いがあれば、買取もぜひ検討してみましょう。
業務用冷蔵庫の買取相場
一般のリサイクルショップよりも、業務用機器の買取販売を行っている業者の方がおすすめです。
リサイクルショップでも売れる場合もありますが、専門的な知識が乏しいと正しい査定額が出せない場合も。取引数が多い専門買取業者へ相談をするのがおすすめです。
業務用冷蔵庫 | 買取事例 |
---|---|
コールドテーブル | 40,000~50,000円 |
業務用冷凍庫 | 20,000~22,000円 |
縦型業務用冷蔵庫 | 18,000~22,000円 |
製氷機 | 15,000~18,000円 |
ただし、業務用冷蔵庫の買取は以下の点で査定が変動します。
- 年式
- 状態
- 容量
- メーカー
縦型で300L~500Lの製品やコールドテーブルで100L~200Lの製品は、一定の需要が見込まれています。また、近年の冷凍食品のさまざまなニーズが高くなっているため、冷凍温度の低い製品も注目を浴びており高額査定となる場合も。
まずは、見積もりを複数の業者から取ってから決めるのが得策です。
買取対象になる有名メーカーの業務用冷蔵庫は?
業務用冷蔵庫は、メーカーによって買取査定が変わります。
特に、人気が高いメーカーは以下の3社です。
- ホシザキ
- フクシマガリレイ
- ダイワ
ホシザキは、製品が多彩なだけではなく省エネ達成率が高いのが魅力です。何か不具合があった時でもサポートが手厚いフクシマガリレイ。初めて業務用冷蔵庫を購入する方にも、安心のメーカーです。
歴史あるダイワも、非常に定評があります。省エネや使いやすさを考慮した製品が支持されています。
有名メーカーの製品を新品で購入するとかなり値が張りますが、中古であれば新品の半額~7割程度で購入できるものもあるため人気です。
こうしたメーカーの業務用冷蔵庫でコンディションも良好なら、買取を検討してみましょう。
専門買取以外ならフリマアプリを利用する方法も
専門買取以外でも、業務用冷蔵庫はフリマアプリでも出品され取引が成立しているものもあります。
- 業務用冷蔵庫の処分を急いでいない方
- 自分の希望販売額で出品したい方
試しにフリマアプリを利用してみるのもおすすめです。
ネックとなるのが、配送方法でしょう。梱包や発送を任せられるサービスがあるフリマアプリを活用すると、梱包や発送の悩みもなくなるはずです。配送料の設定で悩んだ時には、着払いを設定することも。ただし、業務用冷蔵庫が確実に売れて処分できる方法ではありません。
業務用冷蔵庫の買い替え時期!寿命はどれくらい?
家庭用冷蔵庫の寿命は10年程度ですが、業務用冷蔵庫は明確に定められていません。家庭用冷蔵庫よりは性質上長く使えると考えてよいでしょう。
- 業務用冷蔵庫の耐久性は、家庭用よりも高いのが特徴
業務用冷蔵庫が急に故障してしまうと、飲食店やスーパーなどでは業務に大きな支障が出てしまいます。場合によっては、死活問題に至る場合も。
一般家庭で使う冷蔵庫は、急に冷蔵や冷凍が正常に機能しなくなる場合もあります。これは、前触れもあるものの症状に気づかないために、突然壊れたと感じるケースも多々。
一方、業務用冷蔵庫の寿命に関する特徴は以下のようになっています。
- 仕様が頻繁に変更されるものではない
- メーカーのサポートを受けると即買い替えしなくて済む場合もある
- 部品の保有期間も長い
業務用冷蔵庫の耐久性が高いとはいっても、何らかの重大な不具合が出る前にメンテナンスを受けるのが賢明です。
買い替えざるを得ない状態なら、ご紹介した5つの処分方法から利用しやすいものを早めに絞り込んでおきましょう。
業務用冷蔵庫を含む産業廃棄物の一括処分なら
業務用冷蔵庫の処分方法をお伝えしました。業務用冷蔵庫の状態や使用年数から最適な処分方法を検討してみましょう。
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急に転勤が決まり、家族で引っ越しをすることになりました。
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