モルタルは、外壁や床、レンガ、ブロック積みなど多様とで使われる建築資材でセメントの一種。解体業者はもちろんのこと、DIYを行う一般の方も余りの捨て方に悩むこともあるでしょう。
そこで今回の記事では、モルタルの正しい捨て方について解説します。
また、モルタルは捨て方を誤ると環境に悪影響を与えることも。モルタルは「産業廃棄物」に該当し、排出者も産業廃棄物処理法の違反をすると罰則規定もあります。
そのためにも、委託する産廃業者の選び方は非常に重要です。
モルタルの捨て方の基本を理解して、正しく処分を進めましょう。
モルタルとは?捨て方に関わる特徴と主な用途
モルタルやセメント、コンクリートとイメージは浮かぶかもしれませんが、3つの違いを厳密に知っている人は少ないでしょう。
モルタルとは、セメント・砂・水を混ぜ合わせてできたものです。
セメントは、コンクリートやモルタルを作るための材料の一つで灰色の粉です。セメントの原料は、主に石灰石・粘土やけい石などが使われています。
よく耳にするモルタルとコンクリートの用途や捨て方などの違いを、見ていきましょう。
モルタル | コンクリート | |
---|---|---|
材料 | セメント・砂・水 | セメント・砂・砂利・水 |
用途 | レンガ・ブロックの目地
コンクリートの表面仕上げ 建設の下地・接着剤 |
柱や梁、壁など建築材料
|
メリット | 装飾性が高い
やわらかく加工しやすい |
圧縮力に強い
強度が強い |
デメリット | ひび割れが起きやすい
防水性が低い |
引っ張る力に弱い
加工に自由度は低い |
捨て方
(産業廃棄物の分類)
|
・建物の建設・解体時に発生したレンガやコンクリート
⇒がれき類 ・製品の製造過程等で生ずるコンクリートくずやモルタルくず ⇒ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず
|
なお、セメントが単体で使用されることは、ほとんどありません。通常セメントは粉状ですが、液体の場合にはセメントは産業廃棄物の「汚泥」に該当します。
モルタルの正しい捨て方
モルタルにはセメントが使われているため、廃棄処理が間違っていると、環境に悪影響を及ぼす恐れがあります。したがって、モルタルの適切な処分方法を理解した上で処分を進めないといけません。
モルタルの捨て方は廃棄物処理法で制限されている
産業廃棄物は、処理責任を負う事業者が適正な処理をおこなわなければならないと廃棄物処理法で定められています。
モルタルは、産業廃棄物処理法の「がれき類」として処分をします。粗大ゴミや不燃ゴミで捨てることはできません。
産業廃棄物処理業者に回収・処分を依頼する
そのため、モルタルは産業廃棄物処理業者に処分を依頼しなくてはなりません。
実際、モルタルは再利用の取り組みも強化されています。産廃業者により回収後、機械により粉砕され路盤材や骨材などでリサイクルされています。
モルタルのリサイクルまで考慮した捨て方を選択するためには、リサイクルに対する取り組みを推進している産廃業者を選ぶことが望ましいでしょう。
モルタルの処分費用【適正な捨て方での廃棄を!】
モルタルの捨て方で、産廃業者を決める時には下記の費用相場を参考にしてください。
処分費用相場 | |
---|---|
モルタル | 約6,000~15,000円/㎥ 付着物があると単価が上がる |
セメント瓦(アスベストなし) | 約2,000円〜3,000円/㎡ |
セメント瓦(アスベストあり) | 約4,000円〜6,000円/㎡ |
コンクリートがら(無筋) | 約5,000~/㎥ |
コンクリートがら(有筋) | 約7,000~/㎥ |
コンクリートブロック | 約15,000円~/㎥ |
通常、産廃業者にモルタルの処分を依頼すると、収集運搬から処理まで対応してくれます。
タイルなどほかに付着物がある場合は、単価が変動するので見積もりで詳細を確認しましょう。ちなみに、セメント瓦やコンクリートの費用相場も、状態やサイズ、アスベストの有無によって単価が異なります。
モルタルの捨て方で絶対してはいけない行為
モルタルの捨て方で、絶対にしてはいけない行為があります。
安易な捨て方をしてしまうと環境に悪影響を及ぼすばかりか、法令違反となるので注意をしてください。事業者はもちろんですが、DIYで個人的にモルタルの処分が必要な場合も、同様です。
下水道への排水して捨てる【不法投棄で罰則】
モルタルを下水道へ排水して捨てる行為は、環境を害するため絶対にしてはいけません。
モルタルの洗浄水を下水道へ流すと、モルタルが固まって公共下水道管が詰まります。甚大な被害を多くの方に与えるでしょう。そのため排出事業者は、不法投棄をすると罰則が科せられます。
一方、DIYでモルタルを使う方は水を加えて練っていると徐々に固まってしまった経験もあるでしょう。モルタルが固まる前に刷毛などの道具を洗っておきましょう。
DIYの場合でも、この時のバケツの水も排水管に捨ててはいけません。たとえ、少量のモルタルであっても固まらないわけではないためです。バケツの水は、庭の隅で影響のないところに捨てましょう。
硬化モルタルを庭や路上に捨てる【環境保護の観点からNG】
また固まってしまったモルタルでも、庭や路上に捨てることもできません。
- 環境保護に反する
- 近隣住民から苦情が来る
適切な捨て方は、専門業者に相談するのが望ましいです。産廃法に精通している業者なら、適切な処理を提案してもらえます。
モルタルの捨て方に関するQ&A
モルタルの捨て方を検討している際に、ありがちなQ&Aをご紹介しましょう。
事業者だけではなく、家庭のDIYでモルタルを使った場合の疑問に対する回答もご紹介しています。
DIYモルタルの余りでも一般ゴミで捨てられないの?
モルタルは、「家庭用セメント」や「インスタントセメント」の名称でホームセンターで手軽に入手できます。
- DIYで使ったモルタルの余りの処分でも、基本的に一般ゴミでは捨てられません
自治体では処理が難しいものが意外と多くあります。たとえば、タイヤやコンクリートブロックなどは出せません。
モルタルの余りがあって捨て方に困っている場合は、自治体の清掃センターや専門業者に相談をするのがおすすめです。
モルタルが容器内で硬化した時の捨て方は?
DIYでモルタルをうっかり硬化した場合は、処分するしかありません。
自治体の粗大ゴミ回収では、一般的に30㎝以上だと該当します。ただし、モルタルはもし大きな塊であっても、粗大ゴミの対象外です。
建築廃材やコンクリートがらなどのゴミは、産業廃棄物になります。したがって、民間の産廃業者へ依頼する必要があります。
もし、可能なら容器から硬化モルタルが取れた場合、庭石を敷く際に硬化したモルタルを下に入れても良いでしょう。
モルタルやモルタルミキサーなどまとめて捨てるには?
建設解体の際には、モルタルだけではなく老朽化したモルタルミキサーといった関連機器を処分したい場合もあるでしょう。
このような場合は、いずれも産業廃棄物なので産廃業者に一括で回収してもらうのがおすすめです。
産業廃棄物が多数あっても、専門業者なら適切な処理・分別が可能なので任せて安心。
もし、DIYで使う手動のモルタルミキサーなら、DIYをしている方に譲るのも良いでしょう。他には、フリマアプリやネットオークションでも数多く出品されています。
モルタルの捨て方が適切でない場合の罰則【業者選びも重要!】
産業廃棄物の不適切処理、不法投棄は、法令違反となり罰則が科せられます。
モルタルを産廃法に基づいた捨て方をするためには、産業廃棄物処理法の知識を知っておかなくてはなりません。
「事業者が法律を知らなかっただけ」「産廃業者に任せたので排出者に責任はない」では、通用しません。
モルタルの処分は、産廃法に従い正しい捨て方を守ることが非常に大事です。
モルタルの捨て方!業者の選び方3つ【失敗しらず!】
モルタルの正しい捨て方を守るには、産廃業者の選び方に注意しなくてはなりません。
ここでは、3つの選び方+αを解説します。要所要所を知っておくと、失敗せずに産廃業者を選べます。
産廃処分の許可業者を選ぶ
評判の高さも大事ですが、その前に産業廃棄物の収集運搬と処分の許可(「産業廃棄物処分業許可証」)を取得しているかを確認しましょう。
許可番号・優良マーク・住所・氏名・代表者・許可の年月日・許可の有効期限・事業の範囲などが許可証に記載されています。
いくら口コミが良い業者であっても、産廃処分の許可がなければモルタルの処分を委託できません。
見積りや出張が無料の業者を選ぶ
産廃業者の比較をするには、見積もりが非常に大事です。
この時、出張や見積もりが無料の業者を選びましょう。無料であれば、少なくとも2~3社に相談しやすいはずです。
もし、出張見積もりが有料、書面の見積もりを避けたがる業者なら選択肢から外しておく方が賢明です。
定額プランが安い業者を選ぶ
産業廃棄物のモルタルは、解体時に大量に出されることも多いはずです。
少しでも、モルタルの処分費用を抑えるには、定額積み放題プランの費用を比較が有効。トラック積み放題プランは、一定額で済み費用を抑えられます。
モルタルだけではなく、産業廃棄物処分は、さまざま廃棄物を同時に出すことが多いものです。
木材・タイヤ・廃材・廃油・汚泥・レンガ・アスファルト・危険物などの事業ゴミの処分を、トラック積み放題プランを利用すると一括で委託することも可能。
トラック積み放題プランに関する記事は、以下もご覧ください。
≫積み放題の不用品回収は本当にお得?トラックの大きさで料金・詰める量を比較
≫不用品回収の2tトラック積み放題はお得?積める量と料金相場を紹介
+α:産業廃棄物の処理手順が明確な業者を選ぶ
産廃業者の依頼先が絞り込めたら、その中からプラスαとして産廃物の処理手順が明確な業者を選びましょう。
たとえば、処理工程やリサイクルについて詳細な説明があれば、それだけ適切な処理をしていると判断できるはずです。
処理手順が明確なら、無駄のないリサイクルや廃棄に力を入れている産廃業者だと分かります。
モルタルや産業廃棄物の捨て方に悩んだら
モルタルの処分は、適切な処理を行う産廃業者に依頼すると安心です。排出者も、信頼ある業者選びをすれば、法令違反のリスクを回避できます。
石膏ボードを始め産業廃棄物の処分を依頼するなら、東京/ 千葉/埼玉/神奈川エリアの不用品回収に完全対応している『粗大ゴミ回収・不用品回収・ゴミ屋敷清掃のパイオニア!粗大ゴミ回収サービス』へお任せください。
当社は、一般家庭のゴミの他にも産業廃棄物・事業ゴミにおいても適切な処理が可能です。
モルタルの他にもアスファルト・石膏ボード・タイヤ・廃材など産業廃棄物の処分を検討している方は、お気軽に無料見積もりをご利用ください。
急に転勤が決まり、家族で引っ越しをすることになりました。
来てもらってから処分したものがどんどん出てきて予定よりも増えたのですが、全部引き取ってももらえたため、引っ越し準備がスムーズに行えました。