本記事では、ためこみ症の親との向き合い方を解説します。
親の言う通りにしていては片付かないから、と親のしぶるものを勝手に捨てていませんか?
実は、親御さんは「ためこみ症」の傾向があるのかもしれません。
「ためこみ症って性格ではなく病気なの?」
「実家を片付けなければならないのにどうしたら…」
上記のような疑問やお悩みに向けて、ためこみ症の定義や対処法、勝手に捨てるなどのNG行為がもたらすリスクなどをお伝えします。
家族が頼りにできるサポートについても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
親はためこみ症?病気の基礎知識
最初に、もしかして親がためこみ症かも・・・と不安を感じている方に向けて、ためこみ症という病気の基礎知識を解説します。
- ためこみ症の主な特徴と要因
- 性格的な「片付け下手」との違い
- 医療的サポートが必要なサイン
それぞれ、見ていきましょう。
ためこみ症の主な特徴と要因
まず、ためこみ症の主な特徴を挙げてみました。親に表れている症状はあるでしょうか。
- 「捨てる」行為に強い不安や罪悪感を感じる
- 「いつか使う」と感じ手放せない
- 物で埋まり、日常生活に支障が出ている
- 他人に片付けられると強く抵抗する
- 自分の状態を問題と認識しにくい
- 物の分類・整理の判断が極端に困難
- 物への執着が強く、感情的なつながりを持ちやすい
ためこみ症の目に見える特徴として、明らかに使用しないものでも所有物を手放せず、その結果、生活空間が物であふれはじめます。
幼少期からの「もったいない」価値観、優柔不断などの気質的な要因だけにとどまらず、大切なものの喪失体験などや、強いストレスが引き金になっているケースも報告されています。
特に、親世代の中高年以降で症状が顕在化しがちで、加齢による判断力の低下も相まって、日常生活への影響が深刻化しやすい傾向にあるのです。
性格的な「片付け下手」との違い
単純に、片付けが苦手なだけだと考える方もいらっしゃるでしょう。ただし、「片付けが苦手」なだけと、ためこみ症には明確な違いがあります。
片付け下手な人は、整理整頓の方法や時間が課題であり、物の処分自体には大きな心理的抵抗を抱えているわけではありません。
一方、ためこみ症は、捨てる行為自体に強い苦痛や不安を感じます。その結果、所有物に過度に執着して手放せず、どんどんものをためこむようになるのです。
断捨離する行為に精神的苦痛を覚える以上、ただ片付けを強要するだけでは事態は好転しません。
医療的サポートが必要なサイン
ためこみ症は、精神疾患の一種ともされています。
キッチンや寝室、浴室などの居住空間が、物にあふれて使えない状況だったり、親が極度に不安を抱えていたりする場合は、医療的なサポートが必要なサイン。
転倒事故や火災のリスクがあるだけでなく、家族として対応が難しいと感じるケースも出てきます。
本人に自覚してもらうステップとしても、専門のサポートは必要になってくるでしょう。
勝手に捨てる行為がためこみ症の親に与えるリスク
親が片付けられないなら自分が断捨離すればいい、と考えている方は一旦手を止めてみてください。
ためこみ症を発症している親の代わりに勝手に捨てる行為は、以下のようなリスクが伴います。
- 親子関係の悪化につながる
- 喪失感で生きがいを失う
- うつ状態になりかねない
順番に解説していきます。
親子関係の悪化につながる
ためこみ症の親に無断で断捨離しはじめると、長年の生活の証や思い出を否定されたと感じ、深いショックを受けます。
ためこみ行動は、単なる「片付け下手」ではなく、不安や喪失感を背景とした心理的問題が関係している可能性があります。
そのため、勝手に物を捨てると、親のプライドを傷つけ、親子の信頼関係に深い溝が生まれかねません。
実際、家族との関係悪化が原因で孤立やうつ状態を招くケースも報告されています。
喪失感で生きがいを失う
思い入れのある物を勝手に捨てられると、大きな喪失感につながることも。
物が自己の延長だと捉えがちなので、捨てる行為が、自分を失ったという心理につながるかもしれません。
「何のために物を集めていたのか」「日常に意味があるのか」という疑問が浮上し、生きがいや充足感を見失いはじめる恐れがあるのです。
うつ状態になりかねない
空間がものにあふれているためこみ症の環境下では、物理的な物の量に邪魔されて生活機能が著しく低下します。
移住空間がうまく使えない日常に無力感を覚え、孤立感や将来への不安が増してくるでしょう。
心身ともに風通しが悪くなり、結果的に、「うつ」に近い症状が現れはじめます。
ためこみ症の親との向き合い方
では、どのようにため込み症の親と向き合っていけばよいのか、以下のポイントを解説します。
- ものへの執着心を和らげる機会を作る
- 時間を決めて片付けに集中させる
- 断捨離のメリットを体感してもらう
- ためこみ症であると起こる問題を知ってもらう
- 本人の意思を無視した行動は取らない
上記5点、それぞれ見ていきましょう。
ものへの執着心を和らげる機会を作る
ためこみ症の親のものへの執着を和らげるには、気持ちの整理を促す環境づくりが大切です。
まず、物を手放す=思い出を失うわけではない点を理解してもらうために、写真に残したり、思い出話を共有したりする機会を設けましょう。
また、「使わないけれど大切な物」を一時的に保管する箱を作り、親の安心感を保ちながら徐々に目線から遠ざける時間を取るのも効果的。
地域のリサイクル活動や寄付を通じて「誰かの役に立つ」前向きな体験を得ると、執着心が和らぐ可能性もあります。
時間を決めて片付けに集中させる
大規模に散らかった住環境では、どこから手をつけてよいか分からず、親自身も途方に暮れているかもしれません。
「今日は15分だけこの棚を一緒に片付けよう」などの、短時間で区切った作業を提案してみましょう。
実際、整理援助のガイドでは「1日1つの引き出し」「30分だけ本棚を整理」などの短時間集中の方法が推奨されているほど。
時間を決めておけば、ずっと片付けし続けなければならない、という心理負担を軽減し、親御さん自身が少しずつ成功体験を積みやすくなります。
片付けに集中したあとは、しっかり評価してあげてくださいね。
断捨離のメリットを体感してもらう
単純に「物を減らそう」と促すだけでは、親の心理的抵抗を高める恐れが否めません。
そこで、片付ければ「通路が使える」「部屋に光が入る」「掃除が楽になる」などの具体的な変化を体感してもらいましょう。
散らかった状態に慣れてしまっていても、床が見えるようになれば気持ちが良いですし、日光が入れば明るい気分になるでしょう。
視覚的・機能的な改善を共に実感しながら、「片付け=負担」ではなく「変化・改善」へと認識を変えていくようにしてください。
ためこみ症であると起こる問題を知ってもらう
断捨離のメリットを体感してもらうと同時に、ためこみ症による問題も知ってもらう必要があります。
物が床や通路をふさいだ状態では、転倒や火災のリスクと隣り合わせ。さらに、衛生面でも問題が生じ、近隣とのトラブルにつながります。
よって、片付けを促す際には、「あなたや家族の命・健康・近隣関係を守るため」という視点も共有するようにしましょう。
非難がましい表現ではなく、一緒にリスクを整理するスタンスで伝えてみてください。
本人の意思を無視した行動は取らない
なにより重要なポイントは、本人の意思を無視した行動は控えること。
ためこみ症の親をサポートする際、本人の意思を無視して勝手に物を処分するのは、親子関係や本人のプライドに大きなヒビが入り、結局作業がスムーズに進行しません。
家族だからこそ、「一緒に判断しよう」「あなたが残したい物は残そう」といった態度をベースに持って関わっていきましょう。
時間や根気はかかりますが、親自身が前向きに整理できるようになるのが一番の近道と言えるのです。
親との片付けはまわりのサポートも頼ろう
ためこみ症の親との向き合い方をお伝えしてきましたが、ためこみ症は病気の一種。
自分だけで抱え込んで負担を増やしては、親子共倒れになりかねません。ためこみ症と向き合いつつ、片付けを進行するために頼れるサポートをご紹介します。
それぞれ、参考にしてください。
【心理的サポート】心療内科に相談する
病気の一種であるためこみ症は、心療内科や精神科など専門の相談機関で相談できます。
診療では、親の気持ちを丁寧に聞きながら、どうして捨てられないのか、どんな思考パターンが物をため込む行動に繋がっているかを探ります。
本格的な医療介入によって、ため込みの行動が少しずつコントロール可能になるケースも。
親本人に自覚してもらう意味も込めて、専門の支援を受けてみるのも一つの手です。
【物理的サポート】プロの専門業者に片付けを依頼する
ためこみ症である以上、ためこんだ物すべてを、自ら片付けるのはかなりの負担であるのは事実。
そこで、分別や搬出の手間が不要なプロの専門業者に片づけを依頼するのもおすすめです。
時間や手間が軽減されるだけでなく、第三者が介入すると、親子間のコミュニケーションもスムーズにいくケースが多く見受けられますよ。
ゴミ屋敷の片付けにかかる費用相場は、以下記事を参考にしてください。
ためこみ症の親との信頼関係を守る片付けを
ためこみ症の親との片付けや断捨離について、向き合い方や勝手に捨てるリスクなどをご紹介しました。
ためこみ症は、病気の一種とされる症状。決して軽んじることなく、親とのコミュニケーションを取りつつ片付けを決行していきましょう。
ただし、親子間ではどうしても立ち行かない時には、プロの手を借りるのも得策です。
『粗大ゴミ回収・不用品回収・ゴミ屋敷清掃のパイオニア!粗大ゴミ回収サービス』は、ためこみ症によるゴミ屋敷の片付けも得意とする業者。場数を踏んでいるスタッフが、ためこみ症のケアもしつつ、スマートに実家を片付けてくれますよ。





































































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急に転勤が決まり、家族で引っ越しをすることになりました。
来てもらってから処分したものがどんどん出てきて予定よりも増えたのですが、全部引き取ってももらえたため、引っ越し準備がスムーズに行えました。