本記事では、高齢者の家がゴミ屋敷化しやすい原因や、ゴミ屋敷化してしまった場合の対処法を徹底解説していきます。
昨今、身だしなみや衛生面を気にしない高齢者が、不衛生な住居で暮らす状態が増えており、「ごみ屋敷症候群」と総称されるほど。
- 久々に帰省したら実家がゴミ屋敷化していた
- 隣のゴミ屋敷が気にかかる
このようにお困りの方々に向けて、自身ができるサポートやゴミ屋敷を片付ける方法をご紹介します。実家や近隣のゴミ屋敷化を目の前に途方に暮れている方も、ぜひ参考にしてください。
高齢者がゴミ屋敷を生み出してしまう4つの原因
最初に、高齢者が住居をゴミ屋敷化しやすい原因を解説します。
- 心身が衰えている
- 認知能力の低下
- もったいない精神によるもの
- 周囲との関係が薄い
実家の親や近隣住民のゴミ屋敷に、心当たりがあるのではないでしょうか。
心身が衰えている
高齢者によるゴミ屋敷の原因として、多く当てはまるのが「心身の衰え」です。
年を重ねると、ちょっとした動作も億劫になるのは当然のこと。しかし、身体が思うように動かずショックを受ける高齢者は多く、必要以上にストレスを溜め込みがちになります。
部屋を片付けたりゴミを捨てたりする体力や意力が奪われ、ゴミ屋敷になってしまう原因になるのです。
認知能力の低下
加齢による認知能力の低下も、加齢とともに少しずつ始まります。遺伝やストレスだけでなく、脳梗塞やうつ病、認知症などの病気が原因のケースも。
認知能力の低下で、ゴミかどうかの判断が難しくなるため、なかなか捨てられないのです。記憶力や注意力もあいまいになり、ゴミ出しの日程や分別方法も困難になるでしょう。
もったいない精神によるもの
「物を捨てる=もったいない」と考える高齢者も多く、なかなか物を捨てられない傾向にあります。
シニア世代の時代背景に加えて、他人にはゴミのようなものを集め始めたりする「収集癖」や「ため込み症」につながります。
一人暮らしで孤独を感じている高齢者に多く見られる特徴で、ゴミ屋敷化の原因のひとつです。
周囲との関係が薄い
近所と交流がない、子どもが遠方にいる、などで日常生活の相談ができない高齢者も多く見受けられます。人に迷惑をかけてはいけないと気にするあまり、片付けやゴミ捨てが負担でもまわりに頼れません。
そのまま家の中がゴミ屋敷化すると、今度は「誰にも知られたくない」と思いはじめ、更に孤立する流れになるのです。
高齢者によるゴミ屋敷化が進むきっかけ
日常生活でのとあるきっかけが、ゴミ屋敷の発端につながるスイッチとなるケースもあります。
以下2つを例に、解説していきます。
- ゴミ出しが負担
- ペットや家族を亡くした
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
ゴミ出しが負担
ゴミ出しが負担になるきっかけは、日常に潜んでいます。
- 重いゴミを持ち運ぶのが大変
- ゴミの分別が難しい
- ゴミ出しのルールを間違えて指摘された など
精神的にも体力的にも、高齢者にとって、ゴミ出しは想像以上にハードルが高いのです。そして、一度ゴミを出しそびれると、そのままゴミ屋敷化へまっしぐらとなるでしょう。
ペットや家族を亡くした
家族や友人、ペットを亡くした経験から、遺品を整理できなかったり、思い出すアイテムを収集し始めたりして、家がごみ屋敷化するケースも多く見られます。
高齢者は特に、寂しさや不安を感じると、ものを集める傾向にあります。収集している時には孤独を忘れられたリ、ものに囲まれていると安心できる、などが大きな理由。それが度を越えてしまうと、ゴミ屋敷になるのです。
高齢者が住んでいるゴミ屋敷を放置するリスク
高齢者が住むゴミ屋敷をそのまま放置するリスクについて、解説します。
- 火災や放火の発生
- 転倒や怪我の発生
- 孤独死
- 近隣住民とのトラブル
どれも起きてしまってからは取返しがつかないので、日頃から念頭に置きましょう。
火災や放火の発生
ゴミ屋敷のリスクの中でも危険性が高いのが火災です。たまった埃や可燃物がコンセントから引火でもしようものなら、まわりのゴミにあっという間に燃え移り、家中に燃え広がります。
また、気付かれにくいだろうと判断され、放火されるケースが多い現状も。
たとえ、火災に気づいたとしても足の踏み場もないほどのゴミで、逃げ遅れる可能性も高くなるでしょう。
火災の出火原因や回避方法などは、以下記事で詳しく解説しています。
関連記事:ゴミ屋敷の火事・火災は対策できる!3つの出火原因とリスク回避策を解説
転倒や怪我の発生
足腰が弱くなると、転倒や怪我のリスクとも隣り合わせ。
高齢者は、平坦な床面でもバランスを壊して転倒しがちです。さらに、足元がゴミで覆われていると、転倒リスクが増すのは想像にたやすいでしょう。
転倒の拍子に家具の角に頭をぶつけて、大怪我をし、そのまま孤独死へと至るケースも想定しておきましょう。
孤独死
超高齢化社会である日本は、一人暮らしの高齢者が増加しています。一方で、隣近所の住人とのつながりが希薄になる傾向があるため、孤独死はめずらしくなくなってきています。
孤独死が原因で、ゴミ屋敷内で遺体の発見が遅れた場合は、特殊清掃が必要になる点も特筆すべき現実。早い段階で対策していれば、やるせない孤独死も特殊清掃も避けられます。
近隣住民とのトラブル
ゴミ屋敷は、住居者本人だけの問題ではありません。
ゴミが堆積すると異臭や大量発生した害虫・害獣による被害が近隣住民にまで及びます。住人が高齢者だけであればなおさら、近隣住民も心穏やかではないはず。
近隣住民との関係が悪化しトラブルになるのを防ぐためにも、解決に向けて速やかに対策しましょう。
高齢者のゴミ屋敷を防ぐためにできる対策
高齢者住居のゴミ屋敷化の予防につながる対策もご紹介します。親や親戚だけでなく、近隣住民としてできる行動もあるので、それぞれ参考にしてください。
親・親戚・知人の場合
家族や知人の住宅がゴミ屋敷している場合には、近しい間柄だからこそできるケアを心がけましょう。
住人にゴミ屋敷の危険性を理解してもらう
ゴミ屋敷に慣れてしまうと、本人はそのまま放置する危険性が実感できません。中には、良かれと思って片付けた行為に怒り、たとえ家族でも家の中に入れてくれなくなるケースも。話し合えないまま、様子がわからなくなってしまうと、悪循環に陥ります。
根気よくゴミ屋敷のリスクを伝え、家を片付ける=否定しているわけではない点を理解してもらうのが大切です。
手助けする人がいることを示す
ゴミ屋敷の住民は、人に甘えるのが苦手なケースが多々見られます。ゴミの処分が負担で先延ばしにしているうちに、ますます助けを求められない状態に陥りがち。
家族や近隣住民、自治体の生活支援サービスなど、手助けできる人や制度があると伝えてください。一人でため込まなくなるだけでも、事態は大きく前進するでしょう。
少しずつ片付けて達成感を共有する
一緒にゴミの片付けや部屋の整理を進める時には、今日はキッチン、次回は居間、などと一ヶ所から少しずつ片付けましょう。無理のない目標設定にすれば、達成感も共有でき、徐々にゴミ屋敷の解消につながります。
ゴミ屋敷でない住居がどれだけ暮らしやすいか思い出せると、キレイな状態も維持しやすくなるはずです。
帰省や訪問の回数を増やす
こまめな帰省や訪問も、ゴミ屋敷化を食い止める大きなポイント。頻繁に家を訪れていれば、変化にも早い段階で気付けるでしょう。認知症などの病気を発見するきっかけにもなります。
また、日常的に人の訪問があると、孤独感も減少し、認知機能の低下も予防できるのです。人の出入りが増えれば、自ら進んで掃除をするようになるケースもありますよ。
近隣住民の場合
ゴミ屋敷化は、家族の問題だけではありません。近隣の高齢者への小さな心配りが、ゴミ屋敷化の軽減につながります。
苦情・クレームは優しくかつ丁寧に伝える
近隣がゴミ屋敷化していれば、苦情を伝えたい事態も増えるでしょう。
しかし、ケンカ腰で苦情を言えば、意固地になって自分の殻に閉じこもる高齢者も少なくありません。苦情を我慢するのではなく、優しく落ち着いて伝えて、本人の理解を得るのが重要です。
普段から高齢者へ声かけや挨拶を増やす
高齢者が孤独を感じずに済むように、近隣で声かけや挨拶を心がけましょう。訪問時に掃除やゴミ捨てを手伝ったりお茶を飲んだりするだけで、確実に大きな一歩になるのです。
生活に張り合いを感じられれば、身の回りにも気を使えるようになるはずです。
行政へ相談
家族や親戚の住居でなくても、ゴミ屋敷に関する困り事は、自治体に相談できます。
どうしても直接言いづらい苦情も、行政が介入すれば解決に向かう可能性もあります。お住まいの自治体にゴミ屋敷条例などの詳細を問い合わせてみましょう。
高齢者の住むゴミ屋敷を片付ける方法3選
高齢者が住むゴミ屋敷を片付ける、具体的な方法を3つお伝えします。
- 家族で協力して片付ける
- 自治体の支援を利用する
- ゴミ屋敷片付けの専門業者へ依頼する
ゴミ屋敷の程度にあわせて、片付け方法を検討してください。
家族で協力して片付ける
もし、ゴミの量がそこまで多くなく、自力でも片付けられそうな場合は、家族で協力して片付けられるか試してみましょう。
高齢者のゴミ屋敷化は、高齢者ならではの頑固さやプライドが影響しているケースが多いため、頭ごなしに片づけを強要しても意固地になるだけで逆効果。
以下の点に気を付けて、焦らせずに一緒に片づける習慣を目指しましょう。
- 強い言葉を使わない
- 無理強いをしない
- 少しずつ片付ける
ただし、手に負えないと判断した場合には、早めに別方法を検討するのも大切です。
以下記事では、高齢の親が住む実家がゴミ屋敷になった場合の対処法を解説しています。
関連記事:ゴミ屋敷化した実家片付け完全ガイド【確実な手順や親の説得方法まで徹底解説】
自治体の支援を利用する
自治体によっては、ゴミ屋敷専門の相談窓口や、サポートプログラムを提供しているケースがあります。
また、認知症などを患っている場合は介護保険が適用されるため、その方面からも自治体にサポートを依頼できます。
あくまでもサポートベースで、手続きや対応に時間がかかる場合もあるので、ゴミが大量の場合は、他の片付け方とあわせて利用すると良いでしょう。
ゴミ屋敷片付けの専門業者へ依頼する
自力や家族の力では難しいレベルまで達している場合は、ゴミ屋敷片付け専門業者に相談しましょう。業者に依頼する場合は、ゴミ屋敷片付けの実績豊富な業者を選ぶのがポイントです。一連の流れは以下の通りです。
- 問い合わせ
- 無料見積もり
- 正式依頼
- 片付け作業(作業スペースの養生、ゴミの分別、簡易清掃などを含む)
- お支払い
- ゴミの処理
ゴミ屋敷片付け専門業者は、プロならではの迅速な対応で手際よく片付けてくれるだけでなく、近隣へのプライバシーにも配慮してくれます。
片付け後のハウスクリーニングなどもあわせて対応してくれる業者もあるので、すぐにキレイな空間で日常生活をリスタートできますよ。
高齢者の家がゴミ屋敷になってしまったら
高齢者とゴミ屋敷の関連性や、必要な対策について解説しました。
高齢者が住む、実家や近隣のゴミ屋敷化を防ぐためには、早めに専門業者に相談するのが得策です。高齢者の意思に寄り添いながらも、迅速に片付けを実施してくれるはず。
『粗大ゴミ回収・不用品回収・ゴミ屋敷清掃のパイオニア!粗大ゴミ回収サービス』は、ゴミ屋敷の片付けの実績が豊富。プライベートにも配慮しつつ迅速に対応しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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急に転勤が決まり、家族で引っ越しをすることになりました。
来てもらってから処分したものがどんどん出てきて予定よりも増えたのですが、全部引き取ってももらえたため、引っ越し準備がスムーズに行えました。