DIYなどで余ってしまった塗料の処分方法がわからず、そのまま放置していませんか?
慣れていないと悩んでしまう塗料の処分ですが、やり方が分かれば実は意外と簡単です。
この記事では、余った塗料の処分方法や処分にかかる費用の相場、注意点などについて詳しく解説しています。
誤った方法で処分すると環境汚染や自然発火を引き起こす危険性があるため、正しい知識を身につけて適切に処分しましょう。
余った塗料の処分方法
余った塗料はそのまま側溝や水路、排水口などに流してしまうと河川などの水質を汚染する危険があるため、塗料の種類に応じた正しい手順で処分しなくてはいけません。
塗料にはDIYなどで使用するペンキ、ワックス、ニスなどの他、防錆・防食塗料のコールタール、ガンプラなどのプラモデルや模型に使われる油性ラッカー塗料(有機溶剤系アクリル樹脂塗料)など、さまざまな種類があります。
中にはシンナーやアルコールなど、有害で引火性のある成分を含む塗料もあるため、取り扱いには十分な注意が必要です。
ここからは、余った塗料の正しい処分方法4つについて詳しく解説していきます。
①自治体に回収してもらう
自治体にゴミとして回収してもらえれば、自治体指定のゴミ袋料金のみで余った塗料を処分できます。
ただし、自治体によって処分のルールが違ったり、塗料の回収を受け付けていない自治体もあるので、事前に確認が必要です。
自治体のゴミ回収には燃えるゴミ、不燃ゴミ、回収不可などのケースがあります。
燃えるゴミとして処分する
液体の塗料をそのまま捨てると回収車の内部や周辺の道路が汚れてしまうため、約半数の自治体は塗料の回収を受け付けていません。
しかし、塗料を布や新聞紙に染み込ませて固めたり、「塗料固化剤」を使って固形化すれば燃えるゴミとして処分できます。
余った塗料が少量の場合の処理方法
- 二重にしたビニール袋の中に、不要な新聞紙やキッチンペーパーを敷く
- 敷いた紙に余った塗料をすべて塗り拡げて乾燥させる
- 乾いたら燃えるゴミとして処分する
余った塗料が大量の場合の処理方法
- 残った塗料をバケツなどに集める
- 塗料固化剤を混ぜ、棒などで5分程度しっかりとかき混ぜ、固形化する
- ゴミ袋の中に新聞紙やキッチンペーパーなどの紙を敷いて、固まった塗料を入れる
- しばらくその状態で乾燥させる
- 乾いたら燃えるゴミとして処分する
塗料の硬化剤や、ラッカーうすめ液、ペイントうすめ液なども、そのまま排水口に流さず、量に合わせて同様に処分します。
作業は換気の良い場所で行いましょう。
不燃ゴミとして処分する
塗料の缶などの容器は中身を空にして、内側を紙やいらない布でキレイに拭き取れば不燃ごみや資源ゴミとして処分できます。
ただし、スプレー缶は中身が残った状態だとゴミ収集車の中で爆発する危険があるため、しっかり使い切ってから処分する必要があります。
缶に穴を開ける「ガス抜き」が必要かどうかは自治体によって変わるため、事前に確認しましょう。
処分する缶の大きさや種類によって分別が変わります。
<回収例>※自治体によって異なります
- 小さい缶=不燃ゴミ、資源ゴミ
- スプレー缶=不燃ゴミ、資源ゴミ
- 一斗缶・ドラム缶=粗大ゴミ
回収不可のケース
約半数の自治体は塗料の回収を受け付けていません。
自治体に回収してもらうためには液体の塗料を固形化処理して容器と分別する必要がありますが、量が多いと処理の手間や時間だけでなく、塗料固化剤のコストも多くかかってしまいます。
自分で処理をする時間や余裕がない場合は、次に紹介する塗料専門業者や不用品回収業者に回収してもらいましょう。
②塗料専門業者に回収してもらう
塗料専門業者に依頼した場合、処分費用はかかりますが自宅まで回収に来てくれて、液体のまま残ってしまった塗料や、古くて固まってしまった塗料の処分も依頼可能なため、手間なく不要な塗料を処分できます。
また、一般家庭から生じる廃棄物だけでなく、事業活動で生じた大量の塗料や廃油などの産業廃棄物も処理を依頼できます。
③不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者に処分を依頼した場合も費用は発生しますが、自宅まで回収に来てくれて、液体塗料の処理も不要です。
また、塗料以外の不用品があればまとめて回収してもらえるので便利です。
業者によって処分費用が異なるため、依頼の際は事前に相場を調べる、見積もりを取るなどして、適正な金額の業者に依頼しましょう。
処分費用相場はこちら
④必要な人に譲る
コロナ禍の影響もあってDIYの人気は年々高まっており、それに伴い塗料を求めている人も増えています。
ジモティーなど、Webやアプリを利用して不要なものを譲ったり売買できるサービスを利用して、塗料を必要としている人に譲るのも塗料を処分する一つの手段です。
また、ヤフオクやメルカリなどのネットオークションで売却すれば、不要な塗料をお金に変えることも可能です。
ただし、乾いて固まってしまっているなど、保存状態の悪い塗料はトラブルの原因になるため譲らずに処分しましょう。
塗料処分に関する主要自治体の回収ルール
自治体によってゴミの回収ルールは異なります。
参考として、主要な都市(新宿区・大阪市・名古屋市・札幌市・福岡市)の回収ルールを紹介します。
都道府県 | 品目 | 処分方法 |
東京都(新宿区) | 汚れのとれないびん、缶、ペットボトル | 金属・陶器・ガラスごみとして回収 |
大阪府(大阪市) | 空き缶、一斗缶 | 資源ごみ ・中身はきれいに使いきる ・有害な塗料の入った缶は、販売店や専門の業者に相談 |
大阪府(大阪市) | 塗料(ペンキなど) | ・有害なものは収集不可 ・普通ごみとして出す場合は、布や新聞などに染み込ませて、固まってから出す |
愛知県(名古屋市) | 塗料 | 販売店や専門の業者に相談 |
北海道(札幌市) | 廃油や塗料の入っている容器 | 販売店や専門の業者に相談 |
福岡県(福岡市) | 塗料缶 | 販売店や専門の業者に相談 |
塗料の処分費用相場
それぞれの塗料の処分費用相場は下記のとおりです。
処分方法 | 費用 |
塗料固化剤 | 約300円〜(一斗缶分=約2,500円〜) |
自治体に回収してもらう | 無料(専用ゴミ袋代のみ) |
塗料専門業者に回収してもらう | 一斗缶:約3,000円〜 |
不用品回収業者に回収してもらう | 一斗缶:約4,000円〜 |
塗料を処分する際の注意点
塗料には有害な物質や引火性の物質が含まれており、処理の方法を間違えると環境に悪影響を及ぼすだけでなく、火災事故につながる危険もあるため注意が必要です。
ここからは塗料処分の際の注意点を3点紹介します。
排水口に捨てるのはNG
余った塗料を排水口にそのまま捨てると、排水管の中で塗料が固まって詰まりの原因になったり、下水道が完備されてない環境では河川や海などの水質汚染につながります。
必ず適切な方法で処理しましょう。
塗料だけでなく、油性塗料を薄めたり洗浄する際に使われる「ペイント薄め液」や「ラッカー薄め液」なども有害性があるため処分には注意が必要です。
また、刷毛やローラーを洗った際の汚れた水を排水口に流すのも同様のリスクを伴うため、塗料固化剤などで固めて処理しましょう。
塗料が染み込んだ布や紙は放置すると自然発火の危険
油脂を基本成分とする塗料やワックス(アルキッド樹脂系塗料など)を拭き取った布や紙を放置すると、自然発火から火災につながる恐れがあります。
原料に油類を含む塗料やワックスは空気と触れて塗膜を形成する際に、酸化反応による「酸化熱」が発生します。
塗料を拭き取った布などを山積みにしたり、ビニール袋などにそのまま入れて放置すると、酸化熱がこもって増幅し、自然発火に繋がります。(塗装した材料などは、塗膜が薄いため熱がこもらず、自然発火は起こりません。)
塗料のラベルにあるGHS絵表示に「引火性/可燃性物質」の表記がある場合、自然発火の危険があるため、拭き取りに使用した布きれなどは以下の方法で処分しましょう。
- 塗料を拭き取った布や紙は山積みにしたり袋に密封したりせず、十分に水に浸して、水を十分に含んだ状態で燃えるゴミとして処分する
- すぐに処分できない場合は水を入れた容器などに浸し、水が蒸発しないように管理する
換気の悪いところでは作業をしない
スプレー缶のガス抜きを含め、残った塗料の処分作業を行う際は必ず換気の良いところで行いましょう。
換気の悪いところで作業をすると、塗料に含まれるシンナーなどの有害物質により体調を悪くしてしまう可能性があります。
また、マスクや手袋などを着用し、体を保護した上で作業を行いましょう。
不用品回収業者を選ぶポイント
優良な業者は自治体から「一般廃棄物収集運搬業」などの許可を得て営業しており、自治体のホームページから許可業者の一覧を確認できます。
市内を巡回している不要品回収業者の中には営業許可を得ていない業者も存在しており、悪徳業者の場合、無料で回収すると言いつつ、「別途処分料がかかります」など、最終的に高額な金額を請求されることもあるため注意が必要です。
下記のようなポイントを確認して依頼する業者を選定しましょう。
- 自治体からの営業許可証を提示しているか
- ホームページがあるか(住所や電話番号は記載されているか)
- 電話などで事前の概算見積もりに対応してくれるか
不用品回収業者を探すときは口コミや評判もチェックして、信頼できる業者に依頼しましょう。
まとめ:塗料の処分方法に迷ったら不用品回収業者に相談
「余った塗料を手っ取り早く処分したい」という人は不用品回収業者に処分を依頼しましょう。
『粗大ゴミ回収・不用品回収・ゴミ屋敷清掃のパイオニア!粗大ゴミ回収サービス』なら余っている塗料が少量・大量問わずに、缶の中に残ったままでのそのまま回収可能。
ついでにおうちの不用品もまとめて処分を依頼できます。
塗料が余ってお困りのときは、お気軽にお問い合わせください。
急に転勤が決まり、家族で引っ越しをすることになりました。
来てもらってから処分したものがどんどん出てきて予定よりも増えたのですが、全部引き取ってももらえたため、引っ越し準備がスムーズに行えました。