本記事では、廃油の処分方法について解説します。
「廃油」の処分と聞くと、あまり縁のない話だと思われがちですが、サラダ油以外にもファンヒーター、ストーブなどの灯油、エンジンオイルも含まれます。工場などでは廃油が出る業種・工程も多く、家庭や製造現場では意外に身近な存在なのです。
「廃油ってどう捨てればいいの?」「どこかで引き取ってもらえる?」といった疑問が解消できるよう、今回は、廃油ごとの異なる処分方法やルールを守らずに処分した時の厳しい罰則まで解説していきます。
正しい方法で廃油を処分できるよう、最後までご覧ください。
廃油を処分したい!そもそもどんな種類がある?
最初に、廃油にはどのような種類があるのか、チェックしてみましょう。
廃油は、不要になった油。揚げ物油など家庭から出る食用油、灯油、エンジンオイルから、工場などで使われる切削油や鉱物性油まで幅広く該当します。以下の表のとおり、事業に伴って排出されるものは、全て産業廃棄物になります。
廃油を排出する場所 | 廃油の種類 |
---|---|
家庭から出る廃油 | 食用油(動植物油類)
灯油(潤滑系廃油) エンジンオイル(燃料油系廃油) |
事業活動で排出される廃油 (産業廃棄物) |
切削油
鉱物性油 |
中でも可燃性の高いものは、特別管理産業廃棄物として扱われ、処分するときには十分注意が必要です。
廃油の正しい処分方法9選【オイルの種類ごとの捨て方】
では、廃油の正しい処分方法を見ていきましょう。
ここでは、家庭から出る「食用油」「エンジンオイル」「灯油」の3種類について、それぞれの処分方法を解説していきます。
自分で処分する方も、業者に依頼する場合も、まずは正しい処分方法について理解しておきましょう。
家庭から出る食用油の正しい処分方法3つ!
揚げ物で使い古した食用油は、廃油として処分が必要になります。
処分方法3つをご紹介します。
廃油を自治体の燃えるゴミとして処分する
食用油は、自治体の燃えるゴミとして処分できますが、中身が入ったまま処分するのはNG。油は液状のまま処分すると、ごみステーションで漏れ出したり、引火したりなどのリスクにつながります。
自治体の燃えるゴミとして処分する場合は、以下手順で捨ててください。
- 新聞紙や布、キッチンペーパーなどに油を十分吸わせる
- 染み込んだ油が袋から出ないよう、牛乳パックなどの中に入れる
- 牛乳パックに水を流し込んでからビニール袋に入れる
回収のしやすさも念頭に入れて処分しましょう。
市販の凝固剤で固めて処分する
市販の凝固剤(固める[吸わせる]テンプルなど)で油を固めて処分する方法もあります。
油の温度が熱いうちに、粉末を入れてかき混ぜるだけで、約1時間ほどで固まりますし、油が完全に冷め切る前に処理できるので、冷めるまで待つ必要がありません。
油が流れ出す心配もなくなり、そのまま燃えるゴミとして処分できます。
廃食用油の回収を利用する
自治体によっては、食用の廃油を積極的に回収している地域があります。なぜなら、回収して適切に処理すれば、軽油の代わりになるバイオディーゼル燃料や、石鹸などの資源として再利用できるからです。
たとえば、葛飾区では、サラダ油、ごま油、オリーブオイルなどの植物性食用油の廃油を、液状のままペットボトルに入れ、中身が漏れないようにして、指定された回収ボックスに入れれば完了です。
葛飾区内に20箇所ほどの回収ボックスがあり、一部地元のスーパーマーケットにも設置されてます(※参照元:葛飾区HP)。
手間も費用もかからず処分でき、エコにも協力できる方法です。名古屋市や広島市、加西市などでも無料回収してくれるので、お住まいの自治体でも廃食用油の回収がされていないか、調べてみましょう。
食用油処分の目安:低温でもすぐに煙が出る!
きれいな油なら、240℃まで温度をあげても煙が出ませんが、何度も使って濁ってきた油は劣化が進み、不純物が残っていると、すぐに煙が出ます。180℃くらいの温度でも煙が出始めたら、処分の目安だと考えましょう。
エンジンオイルの正しい処分方法4つ!
次に、エンジンオイルの処分方法をご紹介します。エンジンオイルは食用の油と違い、廃油は汚れがひどく、処分方法を間違うと環境破壊になる点に注意してください。
エンジンオイルの処分方法は、以下4つあります。
地域によって処分の方法が違うため、自治体のルールに沿って処分してください。
廃油回収業者を使って処分する
一番手間がかからず、環境保全にも直結する処分方法は、専門業者に回収してもらうこと。
エンジンオイルは、再生が可能な廃油です。リサイクルされて、重油や燃料、潤滑油として再利用できるので、専門業者に引き取ってもらえれば、環境にとってもプラスになります。
ガソリンスタンドなど、廃油の量が多い店舗や企業を対象にしている廃油回収業者は、費用が割高になるケースもあるので、認可を取得した不用品回収業者に依頼するのをおすすめします。
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ホームセンターやカーショップに持ち込んで処分する
ホームセンターやカーショップなど、エンジンオイルを購入した店舗で、廃油を引き取ってもらえる場合があります。たとえば、エンジンオイルを購入したオートバックスでは、廃エンジンオイルを無料で回収可能です。
引き取りの有無や費用の有無は、店舗次第。廃油の処分を視野に入れて、対応している店舗を選ぶのも賢明でしょう。
ガソリンスタンドに持ち込んで処分する
ピットサービスのあるガソリンスタンドなら、廃油を引き取ってもらえる可能性があります。
ガソリンスタンドには、オイルピットと呼ばれる廃油の集積場所があり、定期的に回収業者が引き取るようになっています。ガソリンスタンドから回収された廃油は、ボイラーの燃料や、リサイクルに利用されるので、環境保全に協力できる良い方法です。
対応はスタンドごとに異なるので、廃油を持ち込む前に一度相談してみましょう。
自治体のゴミとして処分する
エンジンオイルの処分の可否は、自治体によって違います。
- 廃油の処分を全く受け付けていない自治体
- 布や新聞紙に吸わせることで、燃えるゴミとして処分できる自治体
最近では、廃油の「処理BOX」(廃油処理箱)があり、エンジンオイルを固めたり、布状のものに吸わせて処分できるものも数百円程度で販売されています。
廃油処理箱の設置があるか、そもそもエンジンオイルを捨てられるか、お住まいの自治体ルールを確認してください。
エンジンオイル交換時期の目安:6ヶ月または5,000kmごと
夏に酷使したエンジンオイルは、秋〜冬にかけて交換すると良い、という業界の豆知識も参考にしてみましょう。
灯油の正しい処分方法2つ!
灯油は、ストーブやファンヒーターのある家庭で広く使用されています。
容器に残った去年の古い灯油をそのまま使用すると、不完全燃焼を起こしたり、暖房機器の劣化が進んだりします。ストーブやファンヒーターに残った灯油は使い切り、容器に残ったものはルールに沿って処分しましょう。
灯油の捨て方は、以下の2つです。
それぞれ、参考にしてください。
ホームセンターやガソリンスタンド、灯油販売店に引き取ってもらう
灯油を販売している店舗なら、古くなった灯油を引き取ってもらえる場合があります。購入した証明になるレシートがない場合は、引き取りを断られることがあるので、きちんと保管しておきましょう。
灯油は、特別管理産業廃棄物に分類されているため、自治体での処分は難しい廃油です。費用や処分方法は購入店に相談することをおすすめします。
少量の灯油なら処分できる自治体もある
残った灯油がコップ1杯くらいの少量なら、燃えるゴミとして処分できる自治体もあります。布や新聞紙に灯油を染み込ませて、ビニール袋に入れ、静電気で引火するのを防ぎます。
少量とはいえ、危険を伴う廃油は自治体によっては禁止されているので、お住いの自治体のホームページ、または電話で確認してください。
灯油の処分方法の詳細は、以下でご紹介しています。
廃油処分にあわせた缶の処分方法
廃油は、容器に入ったまま捨てられないとお伝えしました。廃油が入っていたエンジンオイル缶(ペール缶・購入した缶)、灯油缶(ポリ缶・携行缶)は、粗大ゴミや不燃ゴミ、資源ゴミと、自治体の分別に従って出すようにしてください。
ただし、自治体では処理できない廃油もあるので、一度に、廃油も缶も処分するなら、不用品回収業者がおすすめです。
自治体が回収できないものでも、不用品回収業者なら対象範囲が広いので、格段に処分しやすくなるでしょう。
【廃油処分の番外編】残った古いガソリンの処分方法
ここで、乗らなくなったバイクに残っている少量のガソリンや、農機具などに使用して少しだけ余ったガソリンの処分についてもふれておきましょう。
ガソリンの引火点はマイナス40℃。引火しやすい上、静電気も溜まりやすい性質があるため、火災発生の危険性が高い油です。灯油用のポリ容器に入れるのは禁じられており、消防法で定められた、安全基準に適合した携行缶を使用しなければなりません。
手元にガソリンが残っている場合は、以下2つの方法を参考に安全のために速やかに処分してください。
- ガソリンスタンドに持ち込む
- 洗剤と中和させて処分する
それぞれ、解説します。
ガソリンスタンドに持ち込む
ガソリンを早く簡単に処分するなら、ガソリンスタンドがおすすめです。名前の通ったガソリンスタンドなら、残ったガソリンを携行缶に入れて持ち込めば、無料で処分してもらえます。
引き取りしていないスタンドや、費用がかかるガソリンスタンドもあるため、事前にガソリンスタンドに確認してください。
洗剤と中和させて処分する
ガソリンスタンドに持ち込むほどではない少量のガソリンなら、洗剤と中和させて処分する方法があります。ガソリンと台所用洗剤を混ぜ合わせると、発火しにくくなります。
新聞紙、キッチンペーパーなどに、しっかり染み込ませてから、燃えるゴミとして処分可能です。
しかし、発火する可能性がゼロではないため気になる場合は、少量でもガソリンスタンドに持ち込むことをおすすめします。
廃油の処分に困ったら不用品回収業者に依頼
廃油の処分方法をご紹介しましたが、なかでも、不用品回収業者なら廃油の種類問わず処分できます。
家庭用はもちろん、産業廃棄物に当たる事業で排出された廃油も、スムーズに回収してもらえる、以下のようなメリットがあります。
- 産業廃棄物の分別の手間が不要
- 適正な処理・リサイクルを行うので排出者も安心
- 大量処分でもパックプランで委託可能
- 即日処分も可能
特におすすめのポイントは、廃油やその他の不用品の量によってトラックの大きさを選べるパックプラン。個人はもちろん、木材・タイヤ・廃材・廃油・汚泥・レンガ・アスファルト・モルタル・危険物など、事業ゴミの処分を一括で委託できるのは、効率的、かつ経済的な選択肢でしょう。
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廃油を処分するための費用相場【地域差も確認】
廃油には、種類によって、無料で引き取ってくれるものから、燃えるゴミとして無料で処分できるものや、処分が難しいもの、「特別産業廃棄物」に該当するものもあります。
家庭ゴミとして処分する少量の廃油以外にも、事業系から排出される大量の廃油は、処分に費用がかかります。
地域 | 費用(廃油1kgあたりの費用) |
---|---|
東北 | 35円〜95円 |
関東 | 30円〜100円 |
関西 | 35円〜90円 |
九州 | 35円〜100円 |
全国平均すると、35円〜95円/kgが処分にかかる費用です。危険性の高いガソリン、灯油、軽油は「特別産業廃棄物」になるため、処理費用はさらに高くなります。
事業系の廃油は、約38%が重油や燃料、バイオディーゼル燃料、石鹸などに再生されるので、適切に処分すれば地球環境にも貢献できるでしょう。
廃油処分のNG行為!【不法投棄と罰則について】
最後に、廃油処分時のNG行為をお伝えします。
廃油は、液体だからといって、絶対に自然に放出してはいけません。
- 廃油を排水口やトイレに流して処分するのはNG!
- 廃油を土に流して処分するのはNG!
上記行為は、不法投棄。排水口やトイレに流すと、処理場へ流れ込んで環境に悪影響を与えてしまいます。また、家庭の排水管がつまり、修理に数万円かかる場合も。
そして、不法投棄には厳しい罰則が科せられます。
個人・法人 | 罰則の内容 |
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個人が廃油を不法投棄した場合の罰則 | 1,000万円以下の罰金、または5年以下の懲役、もしくはその両方 |
法人が廃油を不法投棄した場合の罰則 | 3億円以下の罰金、または5年以下の懲役、もしくはその両方 |
自分の敷地に埋めても、違法になってしまいます。「知らなかった」では取り返しがつかない犯罪行為であることを忘れないようにしてください。
廃油の処分に困ったら「粗大ゴミ回収サービス」へ
廃油の処分方法をご紹介しました。
廃油は、処分方法を間違ってしまうと環境汚染や自然破壊につながるリスクだけでなく、厳しい罰則を受けるケースもあるので十分注意が必要です。
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急に転勤が決まり、家族で引っ越しをすることになりました。
来てもらってから処分したものがどんどん出てきて予定よりも増えたのですが、全部引き取ってももらえたため、引っ越し準備がスムーズに行えました。